コミック編集

入社当時の夢だった「少年マンガ」創刊。 難しいといわれた業界のハードルを越える

2017年入社 書籍コンテンツ事業部 コミック編集グループ comicグラスト副編集長

■少年マンガ編集者をめざし、書店営業を担当
就職活動では、少年マンガの編集者をめざしていました。当時のスターツ出版は、女性向けの恋愛小説が中心。コミックは電子で参入しはじめたばかりでしたが、逆にそこに将来性を感じ、いつかは夢が実現できるかもしれないと入社を決意しました。配属は、出版マーケティンググループ。主な業務は書店への営業でしたが、編集部とともに、売れる本について議論し、新しいジャンルを立ち上げるチャレンジもしていました。

■編集担当に働きかけ、「異世界ファンタジー」を創刊
2018年に大人女性向け恋愛小説で、「異世界ファンタジー」という新ジャンルを立ち上げました。自分としては「このジャンルは売れる」という強い思いがありましたが、まずは編集担当に納得してもらうことが重要だったため、プレゼンのために他社を徹底的にマーケティング。約5日で他社作品30冊を読み、売れ筋作品のPOSデータや、異世界系が好きな読者が何を読んでいるかという併読率を調査。書店にも聞き込みを行い、編集会議でデータをもとに熱意を伝えたところ、編集メンバーの気持ちを動かすことができたのです。創刊作品はシリーズとしてコミカライズすることになり、「異世界ファンタジー」は人気ジャンルに成長しました。

■スターツ出版初の「少年マンガ」立ち上げを担当
夢だった「少年マンガ」の創刊プロジェクトがスタートしたのは、コロナ禍の2020年春。スターツ出版文庫というキャラクター文庫で、男性読者が少しずつ増えていたこと、とくに「異世界系作品」の男性人気が高いことから、「いけるかも」という兆しが見えていました。機会があるたび「少年マンガをやりたいです」と言い続けていたことから声がかかり、最初はひとりで市場調査をスタート。少年マンガは、大手出版社の牙城であり、チャレンジが難しいというのが業界の常識でしたが、ベンチャー系出版社からも「異世界系」のヒット作品が出ていたことからテーマを絞り、作家のスカウトを開始。若手メンバーと女性コミックの編集長がプロジェクトに参加してくれて、4人チームで100人以上の作家に総当たりしました。力がある作家はすでに大手出版社との契約があり、獲得は至難の業でしたが、依頼の際、作品をしっかりと読み込み、何が魅力か、どんな作品を描いていただきたいか、ほとんどラブレターのような形で誠実にアタック。結果、最初は数名、いまは十数名の作家さんが力を貸してくださることになり、2021年5月に「comicグラスト」を創刊することができました。

■挑戦する気持ちがあり、そのための労力をいとわない人が向いている
こうした自分の経験から、スターツ出版には、挑戦する気持ちが強い人、そのための労力をいとわない人が向いていると思います。読者を喜ばせたいという気持ちがあり、それが自分もうれしいと感じられる人には、うってつけの職場だと思います。今後は「comicグラスト」を「売れるレーベル」に育てていくことが目標です。夢を形にできたことは始まりにすぎず、かつて自分が作品から受けた「衝撃」を、編集者として読者に伝えていきたいと考えています。

「最強の仲間がここに!」をテーマに2021年5月に創刊した異世界ファンタジーコミック誌『comic グラスト』。2023年6月には通算50号を刊行し、満2周年を迎えました。連載しているコミックを『グラストCOMICS』という電子コミックレーベルでも発売。マンガ・小説アプリで、デイリーマンガランキング1位になる作品も生み出すことができています。

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