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「中期経営計画」の振り返りと今後の策定につきまして

スターツ出版の2020年の業績は、売上高44億34百万円、営業利益は1億69百万円でした。2020年12月期決算説明会でご説明した「3カ年経営計画」では、売上を2021年に50億円、2022年に60億円、2023年には70億円を目指すことを宣言。営業利益は2021年に5.5億円、2022年に6.5億円、2023年に7.7億円になるよう計画しました。
2021年12月期の業績は計画を上回り、2022年2月に改めて2022年~2024年までの「中期経営計画」を策定。その後、2回の上方修正を行い、2024年12月期最終は、売上高85億円、営業利益24億円の見通しとなる予定です。おかげさまで、計画を大きく上回り、成長することができました。

この成長の最大の要因は何だったのか?
答えは、コロナ禍を機に一気に経営の舵を切ったことです。

2020年、緊急事態宣言によって不要不急の外出ができなくなり、弊社のWebサービス「オズモール」を始め、雑誌「オズマガジン」や「メトロミニッツ」がテーマとしていた「おでかけ」需要が壊滅的なダメージを受けました。メディア広告も、レストランや宿泊などの予約サービス「オズのプレミアム予約」も、キャンセルが相次ぎました。
外出ができないなら「巣ごもり」需要にシフトしよう。「おでかけ」需要は厳しいが、本を読んでいただく「書籍の事業」はこれから成長するはず、とその時思いました。またその時点で、会社の資産も潤沢で、足元の業績が悪くても、経営的に焦る必要は全くありませんでした。
毎月の売上がどんどん落ちていた2020年6月、オズモールから書籍の事業に10名の人事異動を発令しました。その年の新入社員、またその後も、新卒・中途を含めて人事異動は書籍の事業にシフト。それが奏功して、書籍・コミックビジネスは大きく成長しました。
一方、オズモールも、組織をスリム化しながら、コロナ禍に対応した「おひとり様予約」などさまざまな予約プランをヒットさせてきました。現在では、コロナ禍以前の売上を回復。「オズマガジン」「メトロミニッツ」などの雑誌ブランドを起点とするブランドソリューション事業も、新たにSNSを武器とするソリューション提案に注力し、業績も回復してきています。
過去を振り返ると、約10年ごとに、大災害や世界を揺るがす金融危機が起きています。今後もそうした危機に直面することはあるでしょう。しかし、そんな時こそ、冷静に状況を分析して、パラダイムシフトをはかることが重要だと思います。
インバウンド消費がさらに大きくなり、生成AIが世の中を大きく変えそうです。地球環境問題も深刻さを増してくることでしょう。世の中は激変しています。そのスピードも速くなります。
その変化を、SNSやマスメディアからの情報収集だけではなく、異業種含めて様々な企業の方々と情報交換をする中で、これから何が起きるかをリアルに予測していく。そして、それに対応できるように今のビジネスを変えていく。それを繰り返すことで、必ず未来を切り拓く存在になれると思っています。
スターツ出版では、「未来を、自ら、切り拓こう」というスローガンをこの3年間掲げ続け、スターツ出版の全従業員一人ひとりにその意識を求めてきました。売上目標も大事ですが、それ以上に「未来を、自ら、切り拓く」。そんな仕事ができた方が楽しいに決まっています。

スターツ出版の新たな「中期経営計画」については、各事業部のリーダーたちが、単なる夢や、やりたいことを優先するのではなく、世の中がどう変化するかを予測し、議論して作り上げていこうと考えています。その内容を新たな計画として、2025年2月に発表する予定です。
これからも末長くよろしくお願いいたします。

スターツ出版株式会社
代表取締役社長 菊地修一

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