2024年度入社の若手社員に、就活の経験を振り返ってもらいました。

Kさん 書籍コンテンツ事業部 出版マーケティンググループ(写真左)
2024年入社。文学部出身で、大学では地元の地方活性団体に所属、出版社のアルバイト経験も。もともと書店巡りが好きで、仕事で全国の書店を訪問できるのが楽しい。
Fさん 書籍コンテンツ事業部 コミックベリーズファンタジー編集グループ(写真中央)
2024年入社。関西圏の大学で、社会学部出身。大学では広告コミュニケーションゼミとフリーペーパー制作団体に所属。カフェでアルバイトしていた経験からコーヒーに詳しい。
Sさん OZmall プレミアム予約事業部 レストラン・トラベル事業推進グループ(写真右)
2024年入社。文学部卒業。大学はフリーマガジン編集サークルに所属。現在は仕事とプライベートの両方を充実させるべく、休日は映画鑑賞やカフェ巡りにいそしんでいる。

まずは、志望していた業界について教えてください。
Fさん 「誰かの心を動かすものづくりがしたい」という思いがあり、出版、広告、舞台デザイン、テーマパークなどを受けていました。
Sさん エンタメが好きで、テレビ、映画配給、広告やPR会社も受けていました。ただ、エンタメは狭き門なので、塾講師の経験を活かせるかなと思って教育業界にもエントリーしていました。
Kさん 私も学生時代に、映像や広告制作などの活動をしていたので、出版、テレビ、広告、制作会社などたくさん受けていました。
みなさん、エンタメ業界が中心ですが、選考の特徴などありましたか。
Kさん エンタメ受ける人は、少し変わった経験をしている人が多かった印象です。
Sさん 私もそれは思いました。グループ面接で、何かの賞を取ったとか、テレビ局の深夜バイトの面白い体験をアピールする学生がいると、「場を持っていかれた・・・」と感じることが多かったです。
Fさん 出版社はとにかく「書く課題」が多くて、それが大変という人もいましたが私は楽しかったです。
コロナ禍で、大学に通えない時期がありましたが、どう過ごしていましたか。
Sさん 思い描いていた大学生活が送れない、と焦ったのは覚えています。課題はたくさん出されたんですが、資料を読んでレポートを書いての繰り返しで、学んでいる手応えがなかった。なのでとにかく資格を取ろうと、秘書検定や簿記、FP、英検とか、一時は資格コレクターのような状態でした。それでも足りずにWebマーケティングのオンラインスクールを受講したりも。
Fさん 関東出身で、関西の大学に進学したので周囲にまったく知り合いがいない状態でした。その分できることを何でもがんばろうと思い、最初に始めたカフェのアルバイトではマネジメントを任されるまでがんばりました。1年目の秋からサークル活動にも取り組み、全国のフリーペーパーを集めたイベントを主催したり、楽しめることは何でもやりました。
Kさん 私はぜんぜん悲壮感はなくて、自宅でSNSとかTikTokをひたすら見てました。見ているうちに自分でも作りたくなって投稿したり、マンガが好きだったので、イラストをひたすら描いたり。TikTokに投稿して18Kいいねがついた作品もあります。2年目以降は学生団体に所属して、地元を盛り上げる動画をつくって、市のホームページで紹介されたりもしました。

就活のスタート時期と準備について教えてください。
Sさん 就活は大学3年の夏くらいからですね。参加できるインターンを探すところから始めました。実際に参加してからは、企業研究用のノートを作って、ただ書き出すだけではなく、自分が共感できたポイントは何か、それはなぜかを書きだすようにしました。その企業の魅力を自分の言葉で語れることが大事だと思ったので。
Fさん 私も時期は大学3年、春頃ですね。企業研究から始めて、やっぱりノートは使ってました。就職サイトの「就活ノートの作り方」を参考にしてました。
Kさん 私は3年の秋頃・・・。興味がある企業の説明会にはできるだけ参加しました。企業研究のためにはその会社の商品を利用するのは当たり前だと思ったので、出版社であれば、その会社が出している本やコミックはできるだけ読むようにしていました。
自己分析などはどうでしたか。
Fさん 自己分析はやりました。自分が何に向いてるのか、強みは何か、長所や短所も言語化できるようにしました。
Sさん 私は「他己分析」もやりました。自分がとくにそう思っていなくとも、他の人から長所だと何度も指摘されることがあって、それが、自分の強みなんだなと思いました。
Kさん 自己分析も、掘り下げをしないとありきたりになる、という発見がありました。たとえば「社会に貢献する仕事がしたい」「人を喜ばせる仕事がしたい」で終わると、だいたいの仕事はあてはまる。どんな形で貢献したいのか、どんなことで喜ばせたいのか、志望する企業でどう実現できそうか、自分の強みや経験が活かせそうか、掘り下げることが大事かなと思いました。
就活の相談はどんな人にしましたか。
Fさん いちばん相談したのは就活経験者のアルバイト先の先輩ですね。面接の練習にも付き合ってもらいました。特にガクチカについてどう伝えていたのかを聞くようにしていました。自分一人で考えるとありきたりになってしまう内容も、先輩の話を聞くことで「この経験ってこういう強みに繋げられるんだ」という発見がありました。また、親にも相談しました。恥ずかしがらず親に幼少期のことを聞いてみると自分の原点が見つかるので、一つの業界に絞って受ける方は、より「どうしてその仕事をしたいのか」に根拠が生まれると思います。
Sさん 私は友だちとお互いに面接ロープレをしました。模擬面接官として、志望企業のホームページをみてもらいながら、つっこまれそうな質問をイメージして互いにアドバイスし合っていました。大学の就活講座などもよく利用しました。
Kさん 私は人づてに出版社の人を紹介してもらって、アドバイスをもらう機会があったんですが、これがちょっと思ったのと違って・・・。ガクチカも何もかも全否定されるくらいけなされました。とりあえず使えそうなアドバイスだけ頭に残してあとは忘れるようにしましたね。就活って、不合格になること含めて落ち込むことの連続なので、メンタルを鍛えることがまず大事だと思いました・・・。

いろんな対策が出てきましたが、改めて大事だったなと思うことはありますか。
Sさん 企業研究は絶対大事です。最初は場数を踏むのも必要だし、「とりあえず出版社だから受ける」のもいいけど、その会社の本を読んでないとか、サービスを知らないとか、企業研究をしないということは勉強せずに試験を受けるようなものかと思います。
Fさん 友人に100社くらい受けた子がいて、受ければ受けるほど自分の適性がわからなくなった、と言っていました。ある程度は絞ったほうが、自分の向き不向きが整理できるのではないかと思います。
「エントリーシート」に書くいわゆる「ガクチカ」で意識したことはありますか。
Fさん 出版社はじめ、エンタメ系のESは、個性を面白がってくれるような設問が多かったので、つかみのキャッチーさは意識していました。ガクチカは3つ用意していたのですが、私の場合、サークル・アルバイト・ゼミという、わりと一般的な内容だったので、その中でも取り組んだ理由や、得た経験など自分にしかないもの、自分というオリジナリティを出すことを意識していました。
Sさん 私も企業によって、使い分けていました。教育業界であれば個人塾で生徒に寄り添った経験、エンタメではWebマーケティングで学んだ経験をアピールしました。事実だけではなく、プロセスやそこで学んだことや感じたことを伝えるようにしました。
面接で意識したことはありますか。
Sさん 終始笑顔でいること、想定外の質問が来ても、取り繕うことはせずに素直に回答するようにしていました。
Fさん 私も表情や姿勢は意識しました。エンタメでは、業界の今後についてといった質問も多かったんですが、一般的な回答は印象に残らないので、できるだけ自分の素の意見を伝えるようにしました。
Kさん 求める人材像は業界や会社ごとに違うので、その企業の面接官に感じてもらいたい「自分の印象」を考えて面接に臨んでいました。とはいえ素の部分が大事なので、私の場合は「個性」「丈夫」「メンタル強い」という印象を持ってもらえる内容を、できるだけ具体的なエピソードを交えてアピールしました。

スターツ出版での面接の印象があれば教えてください。
Sさん 書類と録画の審査があるものの、一次面接から一対一というのは珍しいなと思いました。他はだいたいグループ面接だったので、ちゃんと個人に向き合ってくれてるという印象でした。
Kさん 一次面接は、ESに沿った基本的な質問が中心でした。ガクチカでの取組など「なぜそうしたのか」とか「どうしてそう考えたのか」とか、ものすごく掘り下げられたのを覚えています。逆に、役員面接ではガクチカではなく、趣味嗜好をたくさん聞かれたのが印象的でした。
Fさん 私はスターツ出版のインターンにも参加しているのですが、インターンの時から学生の意見を面白がってくれましたし、面接でも自分の内面や趣味に興味をもってくれたと感じました。自分に合っていると思えましたね。
他の会社も受けている中で、入社の決め手は何でしたか?
Sさん どの部署に配属されても「ユーザーに非日常の体験を届ける」という自分の軸がかなえられる、と感じたからです。どのサービスも好きになれそうだし、楽しそうだったから。
Kさん 面接の時に、いちばん自分の素が出せたと感じたからです。若い人が多く活躍している環境で、背伸びせずにいられると思いました。私はBL好きなのですが、これからそのレーベルを出すというタイミングともうまくはまった気もしています。
最後に、就活を始める人へのメッセージをお願いします。
Kさん 自分の個性と自分らしさを大切にしてほしいです。焦りやネガティブな感情が襲ってくる瞬間もありますが、自分の能力ではなく、運と縁がなかったと割り切ったほうがいいと思います。これだけたくさんの企業のことを知る機会は、就活時期以外にはないので、前向きに取り組んでください。
Fさん 就活は、今までの自分をみつめなおす機会です。受験は「量」がものを言いますが、就活は「熱」がものを言います。過去の経験を含め自分を構成するものは何か、とことん突き詰めてほしいです。内定はゴールではなく、そこからのキャリアを築いていくためのスタート地点です。自分を面白がって、オリジナリティを発揮してください。
Sさん 努力したぶん成果が出る受験勉強と違って、就活は直観や運も大きく左右すると思います。とくにエンタメ業界は倍率も高いので、不安も大きかったです。ただ、企業研究や面接対策をしたことで、手ごたえを感じる場面もたくさんありました。この機会を楽しんでほしいです。頑張ってください。