
営業・編集・レーベル創刊などさまざまな業務を経験
書籍コンテンツ事業部 編集グループ noicomi編集長
2016年入社。OZmallレストラン営業に配属、2018年に書籍コンテンツ事業部に異動、10代向け小説の編集、「野いちごジュニア文庫」「野いちごぽっぷ」の新創刊を担当。2025年にnoicomi編集部に異動、編集長就任。
■営業経験は、編集スキルに生かせると実感
スターツ出版では、OZmallの営業からスタートし、10代向け小説の編集や、新レーベルの創刊を担当。現在は少女コミックの編集を担当しています。他の出版社では、部署異動はあまりないと聞いたことがありますが、スターツ出版では、部署の状況、本人の希望や適性によって、異動するケースは比較的多いように思います。私のように営業出身の編集担当は多く、作家とのコミュニケーションやスカウト業務など、営業での経験は編集スキルに確実に生きていると感じます。
■「親が読ませたい作品」ではなく「子どもが本当に読みたい作品」
仕事で特に思い出深いのは、2020年の「野いちごジュニア文庫」の創刊に携わったことです。小中学生の女子がターゲットだったため、「親が読ませたい本」ではなく、「子どもたちが本当に読みたい本」は何かを考えるところからスタート。自分の子ども時代、「恋愛小説」がいちばん好きで、友達とドキドキしながら読んでいたことに思い至り、スターツ出版が得意とする「恋愛小説」を小中学生向けにアレンジする形になりました。パッケージは少女漫画を参考にして、親に見られても恥ずかしくないほどほどの距離感、かつテンションは高め、恋愛表現については「一歩攻める」ことを意識。結果、『総長さま、溺愛中につき。』や『都道府県男子!』といった人気作品が育ち、重版を重ねるヒット作も生まれました。

■「本を読むことが楽しい」という子どもたちが増えたのがうれしい
2024年には「野いちごぽっぷ」という、小学生女子向けのレーベル創刊も担当。ターゲット分析が難しかったのですが、プロジェクトメンバーで書店を回り、子どもたちが何を読んでいるのかを観察。絵本やコミックはもちろん、なぞなぞや迷路やミニゲームなどで遊んでいる姿を見て、それらがたくさんつまった“遊べる本”をコンセプトにしました。これらの創刊によって、スターツ出版の児童向け書籍が新たな読者を獲得し、人気レーベルに成長したのはもちろんですが、「本を読むことが楽しい」という子どもたちが増えてくれたらうれしいと考えています。
■小説とコミック制作の両方にかかわれる環境
現在は少女コミックレーベル「noicomi」編集部に異動し、初めてコミック編集に携わっています。書籍とコミックでは制作プロセスが大きく異なり、小説作品では、伏線を回収しながらラストに向かって大きなストーリーの流れを作っていくのに対し、コミックは連載を前提としているため、各話ごとに山場を作る必要があります。最初はその違いに戸惑うこともありましたが、それぞれの特性を理解した作品作りを目指しています。スターツ出版では、原作小説をコミカライズする形態が多く、他社にはない「書籍とコミックのハイブリッド型編集部」を目指しています。小説編集の経験があることで、コミック化の際に原作者とスムーズにコミュニケーションを取ったり、小説のストーリーに対して意見を述べたりすることができるのは、この体制ならではの強みだと感じています。

2019年6月14日に創刊した少女コミック雑誌『noicomi』。「めくるたび、恋がある」をコンセプトに、大人もときめく恋愛ストーリーを届けています。電子書店で年間ランキング1位になる作品や、メディア化作品も生み出すことができています。
■ある日のスケジュール
